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コラム

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2025.05.27

ゆらゆら帝国について考え中

ニアレコスタッフです。
渋谷系バンドのレコードについて記事を書こうと思っていたのですが、真っ先に頭に浮かんだのは小山田圭吾でも小沢健二でもなく
渋谷系への反逆者と言っても過言ではないサイケデリックバンド ゆらゆら帝国でした。
去年の4月頃にベースの亀川千代氏が亡くなられたのも相まってるのかもしれません。

90年代後半、NUMBER GIRLやゆらゆら帝国の登場あたりで、渋谷系の価値観はかなり崩れたと思っており、モンドミュージックや音響派、匿名的なエレクトロニカへの流れも
渋谷系の流行を落ち着かせる要素だったのかなとも思っております。

今回は、そんなゆらゆら帝国最後の名盤「空洞です」のLPについて紹介させて頂きます。

2007年に発売されたゆらゆら帝国の最後のアルバム。
全体的にアップテンポな曲も、派手な展開になることもなく、ずっと生ぬるいテンションのまま進んでいくアルバムになってます。

アルバム毎に同じバンドか?と思うほど変化を遂げていくゆら帝なのですが、
この最後のアルバムは今までのアルバムのコンセプトがうまく統合されており、当時このアルバムを聴いたときに、
バンドを終わらせに来ているのでは?(笑) という冗談交じりの感想をもった記憶があるのですが、その後本当に解散してしまいました。

坂本慎太郎氏曰く
「この3人でしか表現できない演奏と世界観に到達した、という実感と自負」を感じたことを理由として挙げていて、
アルバム「空洞です」の先にあるものを見つけられなかったことも解散の理由の一つとされています
(当時大学生だった自分はその解散理由に大変衝撃を受けました。こんなに潔くかっこいい終わり方があるのかと。)

このゆらゆら帝国の「空洞です」のアナログLPは、ゆら帝の成熟を象徴する作品であり、ジャケット自体も坂本慎太郎氏がデザインされていることもあって
ファンやコレクターの中で特別なレコードとなっております。

アルバム曲をピックアップ
個人的にはこのアルバムの後半の曲の流れが秀逸だなと思っており、ピックアップさせて頂きます。

06. なんとなく夢を [Album Version]
シングル「美しい」に収録されていたカップリング曲のアルバムバージョン。
ポップで明るめなシングル版とは全く異なり、こちらはアルバムの雰囲気に合わせて虚無的な空気感を漂わせてます。
更にその空気感に合わせてシングル版から歌詞が追加されてます
正に夢を見ているような明るいシングル版に対してどこか現実的で空虚なアルバム版との対比になっています。

07. 美しい [Album Version]
こちらも元々はシングルらしいキャッチーなアレンジだったものから、アルバムの作風に合わせて民族的なドラムとトレモロのギターリフがずっと続く極めてサイケなアレンジに変わっており、そのミニマルで単調な演奏は不思議な中毒性があります。

08. 学校へ行ってきます
前曲の「美しい」のリフを引き継ぎながら、本曲「学校へ行きます」とマッシュアップしていくような非常に面白いアレンジになっていて、
曲が進むごとに奇妙さを増していく楽曲です。その奇妙さ、不気味さがなぜか心地よく感じれるのも不思議です。

09. ひとりぼっちの人工衛星
不気味で不穏な「学校へ行ってきます」の後にくるこの曲は全く前曲とは対照的で、とにかく優しく切ない曲です。
感傷的な歌詞も相まってアルバムが終盤であることを感じさせられる。
無線が切れて、地球を離れて宇宙のどこかへと消えていく人工衛星の気持ちを歌ったような歌詞がなんとも切なく、
後半からの自分の好きだったものを羅列していく展開はまるで走馬灯かのようでもあり、好きなものから離れていくことを表現しているのかなと。

10. 空洞です
今作のラストで、タイトル曲。
恋した時の感情を「空洞」と例えた歌詞が非常に面白いなと感じました。中でも「意味を求めて無意味なものがない」というフレーズは特に感心させられたし、ゆら帝自体、そしてこのアルバム自体を表す歌詞のようにも感じました。

どこまで考えられているかは定かではありませんが
この曲の流れは非常に美しくて儚いものだなといつ聴いても思います。

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